まどマギのエントロピーについて思うこと

 魔法少女まどかマギカで登場する「エントロピー」が「エネルギー保存則」に反している点についてニワカ知識で考えます。
 受け売りとにわか知識なので、間違っていたらすみません。

 目次
全てのエネルギーの最終形態は「熱」
宇宙の熱的死
エントロピー
キュゥべえのセリフを考える
カオスな最終回
旧世界からまどかが作った新世界(の解釈)


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全てのエネルギーの最終形態は「熱」

 光や音や運動など、全てのエネルギーの最終形態は熱となります。
 この世のエネルギーは全て、自然と熱へと向かって行きます。
 そして、人間が活動することもまた、地球上のエネルギーの熱への変換を進める作業とも言えます。
 人間がモノを加工することは、材料を熱して、変形や化学変化させた後、再び冷やすという工程が主です。
 料理をすることは、材料を加熱して、柔らかくすることとも言えます。
 乗り物の運動エネルギーもブレーキをかけることで止まりますが、止まる際の摩擦力は熱へと変換されます。
 発電を行うことも、燃料を燃やして水蒸気を作り、タービンを回しますが、その電気も最後は熱になります。
 このように、全てのエネルギーは最後は熱に変わり、人間の活動そのものも熱への変換であると言えます。
魔法少女まどかマギカ第9話まどかのベッド

宇宙の熱的死

 全てのエネルギーが最終的に熱になりますが、それが宇宙規模で起こるのが「宇宙の熱的死(ねってきし)」です。
 太陽などの恒星も、星の持つ燃料を燃やし尽くせば、最後は熱と燃えカスになります。
 化石燃料も含めて人間の使用するエネルギーも太陽光が元となっているので、太陽光がなくなれば人間も活動できなくなり、植物も光合成ができません。
 そして、宇宙中の燃料資源、エネルギーが熱を放出し尽くしたら、燃えカスだけが残った暗黒の破滅の世界となります。 魔法少女まどかマギカ第9話キュゥべえ影

エントロピー

 エントロピーとは、「乱雑さ」「あいまいさ」を表す言葉です。
 モノに偏りがある状態が「エントロピーが少ない」と表し、偏りが少ない状態を「エントロピーが多い」ことを表します。
 誰かが庭にある石ころを1か所に集めて山を作ったら、それは「エントロピーが減少した」と表現し、石を思いっきり散らかした状態にすると「エントロピーが増大した」と表します。
 校庭に生徒を整列させることを「エントロピーが減少した」と表現し、バラバラぐちゃぐちゃに自由に立たせた状態を「増大した」と表現します。
 街に山や谷、ビルや道路を作れば「エントロピーが減少した」ことを表し、爆弾で全てを吹き飛ばして焦土化した更地にすることを「エントロピーが増大した」ことを表します。
 
 先程の「宇宙の熱的死」の話で言うと、太陽などの星に一か所にエネルギーが集まっている状態を「エントロピーが少ない」と表し、エネルギーを放出し尽くして熱と燃えカスになった状態を「エントロピー増大」を表します。
 エントロピーの特徴は、通常、時間経過とともに、エントロピーが増大すること。一度増大すると、自然に元には戻らない不可逆性があることです。
魔法少女まどかマギカ第9話まどかの部屋赤色

キュゥべえのセリフを考える

 キュゥべえがまどかに、インキュベーターの目的を話しているシーンのセリフです。
 ちなみにインキュベーター(incubator)は、[名] 孵卵 (ふらん) 器、保育器、細菌培養器、またはする人、の意味です。
魔法少女まどかマギカ第9話キュゥべえとぬいぐるみ

「全ては、この宇宙の寿命を伸ばすためなんだ」
「まどか、君はエントロピーっていう言葉を知ってるかい?」
「簡単に例えると、焚き火で得られる熱エネルギーは、木を育てる労力と釣り合わないってことさ」
「エネルギーは形を変換する毎にロスが生じる」
「宇宙全体のエネルギーは、目減りしていく一方なんだ」

 文面通り受け取ると、「エネルギー保存の法則」を破ってしまいます。
 「エネルギー保存の法則」とは、「変換の前後でエネルギーの総量は変化しない」法則です。
 「変換するごとにロスが生じる」「宇宙全体のエネルギーは目減りしていく一方」というセリフから、エントロピーの増大で使用できる燃料資源が減っていくことを表しているのだと思います。
 キュゥべえの言う「エネルギー」とは「燃料資源」という言葉に言い換えられると思います。

「だから僕たちは、熱力学の法則に縛られないエネルギーを探し求めて来た」
「そうして見つけたのが、魔法少女の魔力だよ」
「僕たちの文明は、知的生命体の感情を、エネルギーに変換するテクノロジーを発明した」

キュゥべえの種族は、「感情」を「燃料資源」化する技術を開発した。

「ところがあいにく、当の僕らが感情というものを持ち合わせていなかった」
「そこで、この宇宙の様々な異種族を調査し、君たち人類を見出したんだ」

 キュゥべえの種族には「感情」がないので「人間」を使おうという話。

「人類の個体数と繁殖力を鑑みれば、一人の人間が生み出す感情エネルギーは、その個体が誕生し、成長するまでに要したエネルギーを凌駕する」
「君たちの魂は、エントロピーを覆す、エネルギー源たりうるんだよ」
「とりわけ最も効率がいいのは、第二次性徴期の少女の、希望と絶望の相転移だ」

 全人類を魔法少女化させずにまどか1人で事足りる点から考えると、少しの人間を犠牲にするだけで、莫大な効果があるのだと思います。

「ソウルジェムになった君たちの魂は、燃え尽きてグリーフシードへと変わるその瞬間に、膨大なエネルギーを発生させる」
「それを回収するのが、僕たち、インキュベーターの役割だ」

 エネルギー保存則から考えて、1人の人間の人体の持つエネルギーはたかが知れているので、「再資源化」すること自体が目的ではないと思います。
 人体の再資源化が目的なら、そもそも人類を全滅させてエネルギーを使わせない方がよっぽどエコなはずです。
 逆にエネルギー保存則をも破ってしまう技術だとしても、宇宙全体の熱エネルギーが無制限に上昇させられることを表し、それはそれで問題です。

「この宇宙にどれだけの文明がひしめき合い、一瞬ごとにどれ程のエネルギーを消耗しているのか分かるかい?」
「君たち人類だって、いずれはこの星を離れて、僕たちの仲間入りをするだろう」
「その時になって、枯れ果てた宇宙を引き渡されても困るよね?」

 キュゥべえのセリフから無理やりこじつけると、キュゥべえの目的は「エントロピーの増大の逆流」で、この宇宙で使える燃料資源の残量を増やすこと(宇宙の熱的死を止めること)。
 ソウルジェムという装置で人間の感情を燃料資源として取り出す過程で、熱エネルギーも吸収して再資源化できる(エントロピーの逆流ができる)。
 
 相当無理がある拡大解釈ですが、整合性を取ろうとすると、そういうことではないでしょうか。
 キュゥべえがまどかに直感的にわかるように、少々間違ったことを言っていたのかもしれません。

カオスな最終回

 ほむらの魔法で、まどかを中心に「時間遡行」を繰り返した結果、驚異的で超人的なポテンシャルを手に入れたまどかは、魔法少女になる事と引き換えにした願い事が、
「世界中の魔女を消し去ること」
魔法少女まどか☆マギカ最終話の瓦礫

 まどかから分離した無数の分身は、放たれた矢となり、世界中の魔女になる直前のソウルジェム(現在・過去も含む)を抹消して回る。
まどかの赤いリボン

 大量の魔力を消耗したまどか自身のソウルジェムは濁り、膨大な呪いをまとい、宇宙を彷徨い、やがて魔女になる。
神になるまどかと暁美ほむら

 「世界中の魔女を消し去ること」が果たされるために、まどかの分身が、自身のソウルジェム(魔女の姿の自身)に矢を放ち破壊。
 まどか自身は消滅し、まどかの分身(魔力と意志)のみが宇宙に彷徨い、残り続ける。
工事現場の夜景と暁美ほむら

 願い事を叶える総仕上げに、
 「魔力を消耗し尽くした魔法少女が魔女になる」という宇宙の法則が書き換えられ、新世界が出来上がる。
Don't forget. Always,somewhere, someone is fighting for you. As long as you remember her, you're not alone
 新世界では、濁り切ったソウルジェムは、魔女になる前に消滅する。
巴マミ,美樹さやか,佐倉杏子の後ろ姿

 その代わりに、呪いの受け皿として「魔獣」が存在し、魔法少女が倒して回る世界に。
魔獣の姿
 濁ったソウルジェムの呪いは、黒いキューブ型の物体として取り出す(吸わせる?)ことができ、キュゥべえの背中が、ゴミ箱のフタのように開き、喰わせる。
キュゥべえの背中

旧世界からまどかが作った新世界(の解釈)

 (一部、勝手な解釈があります)

ソウルジェム
 魔法少女の魂の器であり、絶望エネルギーの保管庫・貯蔵装置。
 絶望の他に魔力の消費でも濁っていく。

↓新世界
 濁り切ると、グリーフシード化せず、消滅する。
 濁りをグリーフキューブに吸わせて、ゴミ箱のフタのように開いたキュゥべえの背中の投げ入れて処理される。

グリーフシード
 ソウルジェムが絶望エネルギーで、100%まで濁り切って変化した状態のもので、魔女を倒すと落としていく。
 (一度グリーフシード化すると元には戻らない)

 魔女化の際に、絶望エネルギーを消費して、空き容量が増える。
 100%になる残りの容量に、他のソウルジェムの絶望エネルギーを吸わせることができる。
 再び100%に達すると魔女が孵化するようで、その前にキュウベェが回収する。

 (キュゥべえ自身は、魔法少女とも魔女とも敵対せずに、不用品だけ貰う。テロリスト化する前の人間と、後の人間に武器だけ与えて代理戦争をさせ、漁夫の利を得るという形態を取っている)

↓新世界
 グリーフシードシステムの廃止。

魔法少女
 絶望エネルギーの発生装置的な役割と、魔女バスターズ・退治屋。

↓新世界
 魔獣バスターズ。

魔女
 ソウルジェムに絶望エネルギーを限界まで貯めきった後の魔法少女の末路。
 見境なく人間を襲う不要の長物。

↓新世界
 魔女システムの廃止。
 代わりに人間の絶望の化身である「魔獣」がいたるところで出没。
 倒すと、グリーフキューブを落とす。
グリーフキューブのチョコ